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◎瀬戸・芦辺へ 壱岐焼酎の酒蔵を訪ねます
新城神社・千人塚を東に進むと三軒茶屋の信号。芦辺港へ直行したい場合は斜め右へ、男岳山・瀬戸方面へは直進してください。
ご紹介するのは男岳山。岳の辻に次いで壱岐で二番目の高さです。駐車場が整備されています、もちろんトイレも。駐車場から石段を登ります。予想してたより結構しんどい。頂上は男嶽神社。ここに猿や牛の石仏が奉納されています。元々は安産祈願の牛が多かったらしいのですが、猿の石仏が目立ちます。大きさは30センチ前後で、100体ほどはあるでしょうか。古い物は苔むして顔もすっかり風化したものもあり、長い信仰の歴史を感じます。じっと見ていると何か語りかけてきそうな感じです。
山の道やあぜ道の横に三界云々と彫られた小さな墓石みたいなのをよく見かけると思います。これは遠い先祖供養、無縁仏供養のためだそうです。また、島内の墓地のそれぞれの墓石の横にも必ず置かれています。福岡の霊園ではみかけません。島民の素朴な信仰でしょうか。
男嶽山から瀬戸へ進むと少弍公園。キャンプもできます。壱岐総大将として元軍を迎撃した少弍資時はここに果てました。坂を下って瀬戸浦です。瀬戸は勝本と並んで江戸時代の捕鯨基地でした。その後勝本はイカと一本釣りの漁業基地へ移行し、瀬戸は網漁の漁港へと変わりました。残念ながら、瀬戸は町の勢いとして地盤沈下を起こしています。何か活気あるものを探しましたが、ないんだなあ…。町の家並みも数十年前からそのままの感じ。新しい家が少ないよう。
瀬戸浦からフェリー発着所へ5分もかかりません。ここはいわゆる埋め立ての新開地で食事の店も多いんです。なかでも「港の洋食屋ととろ」は例年フィッシングに訪れる松方弘樹さんも必ず顔を出すおいしい店。ジャンボハンバーグとジャンボエビフライが人気メニュー。
二軒隣の「うめしま」は壱岐牛専門店。直接店の名前で検索されるほどの有名店。エージェントと組んでるからシーズン中はいっぱい。夏場はなかなか入れない。
ここから海岸沿いに八幡半島へ進みます。
九州電力芦辺発電所をすぎると清石浜。外海にむかった大きな砂浜です。夏の海水浴ではかなりの人気。ただ、ちょっと波が荒いかもね。数十年前、遠足だか、海水浴で生徒を引率して来ていた先生が、おぼれかけていた生徒を助けようと海に入り、結局生徒も先生も助からなかったそうです。先生の勇気と尊い犠牲を忘れないようにと石碑がありま…したよね、確か、丘の上に。不確かな情報でごめんね。
「はらほげ地蔵」はご存知ですか。海に浸かった数体のお地蔵さんで、見てもなんて事はないんですが、日本昔話でもアニメで紹介されたようにどこからともなくあのテーマ曲「ぼ〜や〜…に続いて、むか〜しむかし、壱岐という島にたいそう貧しい漁師の親子が住んでおったそうな…」とほんわかしたナレーションが聞こえてきそうです。いわれなど詳しいことは現地へどうぞ。音声ガイドが用意されていました。
岬の反対側は荒磯です。今でも海女さんがウニやサザエなどを素潜りで捕っています。運が良ければその光景を見られるかもね。
いよいよお待ちかね、酒造場訪問。麦焼酎発祥の島は今では七軒の酒造場で伝統の焼酎を造っています。そのうち3軒が芦辺町です。
まずは八幡半島から郷ノ浦へ向かって、田河小学校のとなり、壱岐の華酒造。焼酎の人気が高まって、壱岐を訪れて酒造場で工場見学や試飲・購入を希望する人が増えて、昨年、陳列・試飲可能なスペースを改築しました。壱岐の華・華秘伝が主な銘柄です。工場見学は積極的に歓迎です。ちょっと前まで壱岐で一番多く呑まれている銘柄で、各家庭や飲食店では壱岐の華がメインの位置にありました。あまりに人気が高すぎて生産が追いつかなくなって納品ができず、他の銘柄の参入を許してしまったのが勿体ないと、ある飲食店の旦那が話してくれました。
ここから更に郷ノ浦方向へ行くと「伊豆酒造」。「猿川・さるこう」を造っています。ここはかなり小さい酒造場で、一般の田舎の雑貨店みたいで、見過ごしてしまいそう。実際私も最初は2度ばかり素通りしてしまいました。だって、酒造場っていえば、大きなタンクや蔵が目印って思うじゃん。そんなもんはありません。平屋の物置みたいなんが工場でした。「さるこう」はすべて手作りで少量生産。島内以外は一部、関東の飲み屋さんに直接渡る程度で、九州でも、福岡でもあまり見かけません。でも焼酎ファンの中には「さるこう」知ってる人も多いとか。工場見学は難しいですね。試飲もできないみたい。買ってちょーだい。
「壱岐っ娘」が流通に乗って代表ブランドになりましたが、新製品開発も意欲的です。合体した勝本の酒屋さんにしてもいわゆる名門酒造でしたからその家系はどこも頭が冴えています。今後もいろいろ考えてくれるでしょう。団体客がバスで来ても充分なスペースと試飲コーナーを確保。焼酎工場見学を壱岐の楽しみに仕立てたパイオニアです。ただ、国道横なら分かりやすいんですがちっと奥に入ってます。ここも何度か迷ってしまいました。理事長さん、看板大きくしてよ!
焼酎工場見学といっても、大規模なものではありません。エージェントのルートに組み込んで食事も焼酎も土産もここで済ますというえげつないものではありません。敷地の一部を整備して、よろしければお立ち寄りくださいって感じです。
試飲ができるからって、いい気持ちになるまで呑んじゃダメ。壱岐はほとんど事件がないから、お巡りさんもやることがなくって交通違反取り締まり専門みたいになっています。一日走ってると、6回、7回はミニパトとすれ違います。たまにはミニ検問もやってるそうですから交通違反はしないように。
芦辺町と石田町の境に「原の辻遺跡」があります。魏志倭人伝、一支國の国府に確定されています。
では次回は原の辻と日本の水浴場88選に選定された「筒城浜」の石田町です。
石田に宿をとって、お魚をたらふくいただくことにしましょう。
芦辺町の店など
●洋食 ととろ 0920-474808 ランチ980円、ジャンボハンバーグ1,380円、壱岐牛ステーキは予約のみ
●壱岐の華酒造 0920-45-0041 工場見学・試飲歓迎 Pあり
●壱岐っ娘酒造 0920-45-2111 工場見学・試飲歓迎 Pあり
●伊豆猿川酒造 何番だっけ? 工場見学・試飲できないかも Pなし
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